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江藤拓 日常活動報告

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口蹄疫発生から10年

本日4月20日は、平成22年に宮崎県で口蹄疫が発生してちょうど10年になります。
29万7,808頭に及ぶ家畜が殺処分されました。


当時は野党の立場ではありましたが、自民党は発生の翌日には現地に視察団を派遣し、計3度に渡って政府に申し入れを行いました。

私自身も5月の連休中も毎日毎日足を運んで関係者と情報交換を行いました。連日、悲しいニュースばかりでし
た。辛い話もたくさんお聞きしました。

これを基に、衆議院農林水産委員会や本会議等で地元の苦しい思いや悲痛な声を政府に届け、スピード感を持った対応や必要な予算の確保を要請しました。

こういうときこそ農林水産行政のトップである農林水産大臣が、防疫面に配慮した上で現地に行き、直接、農家をはじめ関係者の皆様のお話をお聞きし、素早く実行に移すことの大切さを痛切に感じました。

ですから今年1月に沖縄県で初めてCSFの発生が確認された時は、全ての予定をキャンセルして沖縄に飛び、玉城知事と面会をするとともに、空港や港湾における検疫体制の視察と検疫官の激励を行いました。

やはり困難なときこそ国は農家の気持ちに寄り添い、農家に「十分な支援をしてくれるのだ」という安心感を与え、「これなら全力で防疫態勢に取り組める」、「これなら頑張れる、再建できる」という希望を持って頂くことが重要です。

また、10年前の口蹄疫ではウイルスの拡散を食い止めるため、国内で初めて殺処分を前提とした緊急ワクチン接種を行いました。農家の中にはさまざまな意見がありましたが、最終的に苦渋の決断として受け入れて頂きました。
そばにいて私も非常に悔しく悲しい思いを致しました。農林水産大臣に就任した直後の昨年9月19日にはCSFのワクチン接種を決断致しましたが、宮崎で発生した口蹄疫の経験が活かされました。

苦しく辛い思いを経て、発生から約4ヶ月後の平成22年8月27日に宮崎県が終息を宣言しました。その後も、強固な防疫体制を構築しつつ、全国のモデルとなる畜産の再構築を目標として復興から新たな成長を実現し、平成24年、平成29年の全国和牛能力共進会では、平成19年に続き3回連続で内閣総理大臣賞を受賞する事が出来ました。

これも偏に宮崎県民が一致団結して危機を乗り越えたおかげと改めて関係者の皆様に深く敬意を表しますとともに、全国から頂いたご支援や励ましのお言葉にこの場をお借りして感謝申し上げます。

現在、新型コロナウィルスの影響による出荷の滞りや価格の下落で、農家をはじめとして関係者の皆様は苦しい思いをされておりますが、これからも口蹄疫をはじめ家畜疾病を発生させない、ウィルスを侵入させないという強い決意のもと、関係者の皆様とともに全力で取り組んで参ります。
by taku-eto | 2020-04-20 15:57
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