地方公共団体からの規制や制度に対する提案を受け、政府としての対応を決める
その日は土曜日でしたが、役所に戻り、「農林水産省豚コレラ(当時)防疫対策本部」を開催しました。
平成30年9月に、我が国で26年ぶりとなる豚熱が発生し、それ以降、農林水産省は飼養衛生管理の徹底により、まん延防止に取り組んできましたが、感染が拡大したことから、ステージが変わったと認識し、私からワクチン接種の提案をしました。
その後、省内で連日議論を重ね、専門家の御意見もいただいた上で、9月19日にワクチン接種の方針を決定し、翌日に公表しました。10月以降、順次ワクチン接種を開始し、その後はまん延を防止することができましたが、
ワクチン接種は家畜防疫員(都道府県の家畜保健衛生所の獣医師や都道府県職員として任用された獣医師)が行わねばならず、家畜防疫員の業務が逼迫し、適した豚の日齢でのワクチン接種を行うための接種体制が課題でした。
しかし、今後、今回の閣議決定を踏まえ、都道府県知事の管理の下で、家畜防疫員以外の民間獣医師によるワクチン接種が可能とされ、豚熱の予防的ワクチン接種体制を強化していくことになります。これにより、現場の負担軽減や円滑なワクチン接種が期待されます。
また、「沿岸漁業改善資金において転貸融資を可能とする見直し」も盛り込まれました。
これは、水産業の成長産業化を進めるために有効であり、同資金の更なる利用促進のために、都道府県が金融機関を通じて漁業者等に融資する「転貸融資方式」を導入することを可能とするとともに、
その際、漁業者が負担する債務について漁業信用保証協会が保証を行うことを可能とする内容です。
次期通常国会における地方分権一括法の中で改正する方向です。
その他の案件につきましても、通知等による運用の見直しを図ることにより、地方側の要望に応える内容となっておりますが、
地方が求める真に必要な改革や規制の緩和はこれからも推し進めるべきと考えております。