高千穂町「杉本商店」輸出の取組
本日は自民党本部で農林関係の合同会議を開催して、「農業経営における資金調達のあり方検討プロジェクトチーム」の中間とりまとめについて議論を行いました。議論の中心は農地所有適格法人に対して、農業者以外からの出資比率を引き上げるか否かの是非で、外国資本の参入に懸念の声が多く挙がり、今後さらに議論を深めていくこととしました。合同会議終了後は、農産物輸出促進対策委員会を開催して、しいたけの被り物で参加してくださった宮崎県高千穂町の杉本商店さんなどから、輸出に向けた取り組みのお話を聞かせて頂きました。杉本商店は、約650軒の生産者の皆様が丹精を込めて作ったしいたけを、創業以来50年間現金で購入しておられ、現在は有機栽培のしいたけ生産にも力を入れておられます。生産者から買い取り続けるには、売り続ける必要があり、杉本代表は、いろいろな形で飲食店や消費者に使ってもらう努力をされ、営業に行くときはいつもシイタケの被り物で行っておられます。そして販売先も日本に限らず、アメリカやイギリスなど世界21か国へ輸出しています。外国人の関心が高いことは、農産物のバックグラウンドには何があるのか?ということで、「どんな人が」「どんな場所で」「どのようにして」「なんのために」作ったのかなどを、ストーリー性を持って説明することが重要です。循環型林業であるしいたけの原木栽培は「ここでしか作れない」という地域の価値を最大限に生かした、まさに「サスティナブル(持続可能)」なビジネスモデルで、SDGsの理念にも叶っており、ファンが世界中に広がっています。本日は、杉本商店の他にも、木桶仕込み味噌と醤油それぞれの輸出促進コンソーシアム(共同事業体)の方々からも貴重なご意見をお聞かせいただきました。とにかく安売りをせずに、しっかり儲けて頂くためには何が必要かということを、本日お聞かせ頂いた内容も大いに参考にして議論を続けてまいります。